コラム

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2014.08.18

学生へのSNS教育の必要性が高まる時代

 こんにちは、教育Sの河野です。
 盆も過ぎたこの時期でもなお、昼夜問わず発症する熱中症対策への呼び掛けが各メディアで見受けられます。皆さんもどうかご自愛ください。

 さて皆さん、「ソー活世代」という世代は誰を指すかご存知ですか?
ソーシャルメディアを活用し就職活動をする世代のことです。2011年頃から露出しだした名称で、利用するソーシャルメディアは、主に実名登録型のFacebookを指しますが、社名が特定できればその限りではないようです。今回のテーマはその活動内容や手法を取り上げるのではなく、そういった活動が普及してきた今、注意すべき「プライバシー意識や自己管理能力」について考えていきます。
 今春、明治大学ではソーシャルメディアと上手に付き合うためのマンガ事例集「明大SNSスタイル(就活編)」を作成、Webサイトで公開しました。
 
 この取り組みは、ソーシャルメディアへの投稿におけるプライバシー意識や危険性を把握し、ソーシャルメディアの特性を正しく理解する、そして正しく活用できるような内容になっています。こういった取り組みを実施している背景として、ソーシャルメディア上でのトラブルがあります。

 現在3000社以上の企業(㈱ソーシャルリクルーティング調べ)がソーシャルメディアを利用した採用活動を行う一方、新卒採用をする企業の半数近くは採用応募者のソーシャルメディア投稿履歴やプロフィール、さらにはフレンド数をもチェックしています。
 反対に、就職活動生もソーシャルメディアを活用して企業の調査をしています。エントリーした企業の社員のソーシャルメディア投稿をチェックすることで、社内風土や労働環境、プライベート充実度などから、会社の将来性や人間関係などを見極めています。
 そういった双方の活動状況から、ソーシャルメディア上での投稿内容が企業イメージや面接官への自身の印象を作り出していることが考えられます。

 ここで、就職活動生のソーシャルメディア利用状況をみてみましょう。トレンドマイクロ社は2013年12月9日、就職活動を予定する学生と社会人を対象に実施した「就活生と社会人のソーシャルメディア利用とプライバシー意識に関する調査」の結果を発表しました。不特定多数を相手に日常の出来事をソーシャルメディアへ投稿している割合は、就活生で82.2%、社会人では54.8%に上ることが分かりました。

Q.あなたは、日々の出来事などに関する投稿をメインで利用しているSNSで不特定多数に行っていますか?
[単一回答 [就活生: n=107、社会人:n=248]



出典:トレンドマイクロ社「SNS利用とプライバシー 意識に関する調査」



 調査結果によると、1日に2回以上投稿しているのは就活生で59.8%、社会人で19.8%となり両者に開きがあるものの、投稿時に情報公開の範囲を意識していないという割合は、就活生で35.5%、社会人でも29.4%ありました。また従業員による炎上問題については、就活生の53.3%、社会人の45.2%が「自分の身の回りではリスクが無い」と答え、「とてもリスクがある」は就活生で12.1%、社会人でも16.5%にとどまりました。

Q.最近のアルバイトや従業員による炎上問題(自社の商品や商材、店舗などで、消費者が不快に感じるいたずらや悪ふざけの写真を投稿する問題)について、あなたの周囲でもリスクがあると思いますか?
 [単一回答 [就活生: n=107、社会人:n=248]



出典:トレンドマイクロ社「SNS利用とプライバシー 意識に関する調査」



 トレンドマイクロは、「ソーシャルメディア利用時に投稿内容が適切かどうか意識したうえで、プライバシー設定を正しく行わないと、不特定多数へ意図せず情報が公開されてしまう。新社会人を迎える企業ではソーシャルメディア利用に関する従業員向けの教育が必要」と提起しています。

 今回取り上げたような明治大学のソーシャルメディア対策の取り組みはまだ多くは普及していないのが現状です。ソーシャルメディア投稿の自己管理力の低さが先述したような事件が表面化してしまう原因となっています。またソーシャルメディアを正しく理解し、危険性を啓蒙していくことも大切ですが、さらに言うならば、大学や企業の帰属意識を高めることこそが、行動自体を正すことになると考えられます。
 弊社LMSでは、入学前教育の一環における帰属意識の向上を狙いとした機能も搭載しており、必要に応じて活用を推奨しています。今後は大学様の先生方・職員方と学生のコミュニケーション強化を図る場合に、弊社としても学生のソーシャルメディア上のトラブル防止e-Learning講座といった教材も取り揃えていく必要があると考えます。

(文責:河野)

就業力育成支援

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2014.03.26

大学教育再生加速プログラム(Acceleration Program for University Education Rebuilding : AP)始動。

 桜の開花宣言も出て、少し春めいてきました。大学も新年度の準備で忙しい時期だと思います。

 さて、文科省発表によると、平成26年度より旧来のGPに変わり、大学教育再生加速プログラム(Acceleration Program for University Education Rebuilding : AP)が始動します。支援テーマは、1)アクティブ・ラーニング、2)学修成果・指標モデル 3)入試改革・高大接続の3点です。

 改革の方向性としては、①教育方法の質的転換(学生の能動的な活動を取り入れた授業や学習法(アクティブ・ラーニング)双方向の授業展開など)②全学的教学マネジメントの改善(学生の学修時間の確保・増加、学修成果の可視化、教育課程の体系化、組織的教育の確立など)、③多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換などが上げられます。(文科省WEBサイトより)国としては、上記のような取り組みを行っている大学に対して、積極的に支援するとされています。

 学生の主体的な学びのための学修時間の不足や、想定外の事態に対応できる課題発見・解決力など、社会が求める人材の育成をさらに加速したい、といったことが背景にはあるようです。

 今回の申請の前提条件として、全学での単位の上限設定(CAP制)、シラバスの充実、全教職員へのFD/SD、TAの充実、全学でのGPAの充実(利活用まで評価)などにとりくんでいることが必要で、審査対象になるとのこと。
 2014年度10月には、大学ポートレートも公開されます。公開項目も大幅に増え、内容もかなり細部にわたっています。項目の一例では、全学でのGPA導入可否などがありますが、導入には大学内でも賛否両論があり、全学的な導入に至るには、大きな壁があるようです。GPA一つとっても、全学的なカリキュラムの見直しや、ナンバリングの導入など、抜本的な改革がせまられています。

 制度の充実はもちろんですが、学生にとって本当によりよい教育が何か、弊社も一緒に考えさせていただければと思っています。

(文責 武田)

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2014.02.28

非正規雇用につながる、大学中退者数の増加

 2月には東京都心で、20年ぶりに20センチを超える積雪となり、大学の入試時間を遅らせるなどの影響が発生しました。この寒い日が続く中、ロシアのソチ五輪も無事に終わり、メダル8個と冬のオリンピック歴代2位の結果を残すことができて、たくさんの感動をいただきました!

 さて、大学進学については、「大学全入時代」の到来により、大学進学率が昔と比べて上昇する中、大学関係者の間で、「大学中退者数の増加」が切実な問題になっています。欧米の大学と比較しても卒業しやすい日本の大学を鑑みると、重大な問題になっています。

 具体的には、2014年1月31日の毎日新聞にて、大学中退者数は年間6万人以上とされ、非正規雇用につながるケースが多いため、文部科学省が今年度から毎年、全国の大学に実態の調査をすることになりました。
そこで、なぜ大学を中退してしまうのか、その理由について大きく3つに分類してみました。

 1. 安易な選定(大学・学科)によるミスマッチ(大学の雰囲気や学び・未履修による学力不足など)
 2. 経済的な問題
 3. コミュニケーション不足による人間関係の問題 など

 大学中退理由については、1つの理由だけが原因ではなく、様々な理由が複合的に関係していると思います。よく言われていることですが、一人暮らしの学生や1時間半以上かけて通学している学生にもその傾向が高く、5月のゴールデンウィークまでの出席状況は、今後の指導の大きなポイントになります。

 弊社でも入学前教育(e-Learning)における学習状況を8パターンにわけて、入学後の単位取得率や中退率との相関を分析しています。全期間3割未満のログイン者の無学習型(摂南大学:太田義器教授)では、他のタイプよりも「出席率」および「単位取得率」が低く、「退学者数」が多い傾向が得られました。大学を中退する学生の7割が1年目で退学する中、入学前から傾向を分析して「退学予備軍」を早期に発見し、的確な中退予防策を立案して、入学後の学習量不足や無学習期間をつくらないことが必要になります。
 大学中退者数の増加は大学経営にも直結しており、先程の毎日新聞にもあるように『学費が100万円の場合、年間100人の中退者が出れば1億円の損失』となり、大学4年間で4億円の損失になります(補助金除く)。全国の私立大学における平均退学率は3%前後といわれていますので、毎年6万人以上が退学するということになります。どうすれば退学者数を減らすことができるのか、大変難しい問題ではありますが、我々も大学と連携させていただき、今後の文部科学省の集計結果などから原因を分析することで、微力ですがお役に立てればと思います。
(文責:乾)

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2014.02.04

国際成人力調査(PIAAC)

 PISAにおける日本の学力低下が問題視されているが、2011年新たに国際成人力調査(PIAAC:ピアック)が登場し2013年10月8日に国際報告書が発表されたことにあわせて、国立教育政策研究所からも結果概要及び要約が発表されている。

 この調査はOECDの新しい国際比較調査で、各国の成人が日常生活や職場で必要とされる技能をどの程度持っているかを調べるもの。初の調査には、フィンランド、日本を含む24の国と地域が参加し、各国で無作為に抽出された16歳から65歳の男女約5000人が調査対象となった。調査内容は「読解力」、「数的思考力」、「ITを活用した問題解決能力」の三つの分野に分かれている。

 日本の結果はというと、読解力において、平均値296点(500点満点)はOECDの平均(273点)を上回り1位。また、数的思考力においても平均値は288点でOECDの平均(269点)を大幅に上回り1位。この2分野において、いかにも日本らしいと感じたのが、上位5%と下位5%の得点差が参加国中もっとも小さい点である。義務教育において培われる力は概ね差がなくついていると言えようか。

 ITを活用した問題解決能力における調査でも1位なのだが、懸念すべき点が見つかっている。まず、コンピューター調査ではなく紙での実施者の割合が36.8%とOECD平均24.4%を大幅に上回ること。次に、コンピューター導入試験不合格者の割合が10.7%とOECD平均4.9%を大幅に上回ることである。

 国立教育政策研究所の要約の「日本の成人は、いずれの年齢においても、職場・過程においてパソコンを用いた電子メール、インターネット、表計算ソフト、ワープロソフトなどのICTを使用する頻度が参加国中もっとも低い水準である」ことに驚くと同時に、今後の教育政策のヒントが見える気がした。

 児童、学生数減少の今、大学など整備された教育機関は及び民間の教育機関は、社会人教育の在り方をさらに柔軟に、「役に立つ」もしくはICTをツールとした「楽しみ学べる」ものにしていく必要を感じている。

 国際成人力調査(PIAAC)についてご興味のある方は、以下ご参照ください。

実施概要詳細

国際成人力調査(PIAAC) 調査結果の概要

調査結果の要約

(文責:山本)

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2014.01.22

大学・中学校・民間での「学力向上・教員養成 教育モデル」の試み

我々は大学および大学生(高校生)に対して様々な支援を提供しておりますが、誰かが何かしら(費用、時間など)の負担がある場合が多くみられます。
特に教員・職員の方の時間的負担は計り知れないものがあります。
そこで、それぞれの団体ができるだけ少ない負担で、教育効果を上げるための取り組みを一昨年よりスタートしました。

K教育大学・R大学:ボランティア学生の募集
R中学校:経済的理由で塾にいけない生徒募集、教室提供
W社:教材提供、指導アドバイス



大学および大学生は実践を経験でき、且つ教科指導のノウハウを習得でき、中学および生徒は低価格で教科指導を受けられる。
民間は現場のリサーチにより市場調査、商品開発のデータが取得できる。など表面的なものだけでなく、個人的なプラス面も学生、生徒、企業担当者や教員からアンケートから伺えました。

さらに、今後はe-learningを活用した不登校への展開や退職教員の方々の協力による質・量ともにスケールアップを企画しております。

PBLや反転授業など様々な手法が研究されている中、我々も大学・学校・行政・民間の垣根を越え、教科学習はもとよりキャリア教育や社会人基礎力育成の新たな教育システムを探っていきたいと思います。

(文責 山際)