信念と覚悟をもってやり切ることが、改革の一番の近道 ?私の戦略的大学改革論?

破たんした大学を矢継ぎ早の改革で再生

私が事務局長を務める星城大学は、愛知県内とはいえ、名古屋駅から30分もかかる郊外にあります。学生数も1,500人余りしかおりません。それでも、ことし(08年度)の入試の競争率(入学志願者/入学者数)は、優に3倍を超えました。定員充足率も99%台。100は切りましたが、これはもう誤差の範囲でしょう。多くの大学が志願者減、学生減に苦しみ、充足率が半分にも満たない大学が散見されるいま、非常にうまく経営できていると思います。
そんな本学が6年前(2002年)に短大を改組してできたと聞けば、多くの大学関係者は驚かれるのではないでしょうか。しかも、短大最後の卒業生は38名だったのです。破綻したも同然で、その大学を、教職員が一丸になって改革していったのでした。

まずはざっと、その改革の中身を見てもらいましょう。主なものを箇条書きで挙げてみます。なお、私は他大学の事務局、ゼネコン勤務を経て、2000年に本学を運営する学校法人に入り大学開設準備室長などを経て事務局長に就任しました。

・02年、名古屋明徳短期大学を改組。4年制の星城大学に。
・その際、経営学部に加えて日本で最初(学部名)の「リハビリテーション学部」を開設。
・すべての授業でITを活用した「e-University化」を実現。
・教員の任期制(5年)を導入。
・志願倍率の高いリバビリテーション学部から経営学部に転部できる制度を導入(逆も可)。

その他、経営学部での「スポーツマネジメントコース」「医療マネジメントコース」の開設、経営学部での保健体育の教職免許の取得、短大卒業生を対象とした特別コースの開設などに取り組んできました。そうしたハードの面だけでなく、カリキュラム改革や就職支援、資格取得に向けた特別講座・エクステンション等、ソフトの面の充実にも力を入れています。結果、中途退学者の数が格段に減少しました。この点は、学生の満足度が高まっている一番の表れであると自負しています。

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今村 裕氏(いまむら ひろし)

1952年生まれ。山梨県出身。中京大学法学部卒業後、学校法人梅村学園中京大学に。総長・理事長秘書などに従事する。ゼネコン企業(米国ナスダック上場)を経て、2000年学校法人名古屋石田学園に移り、企画室長、星城大学設置準備室長を経て現職。リハビリテーション学部の開設や、「e- University化」の実現などユニークな施策を次々と打ち出し、新設大学の経営を軌道に乗せた改革仕掛け人として知られる。