「リメディアル教育は大学の社会的使命」 ?学生の基礎学力を高め、学習意欲を引き出す?

基礎学力支援から初年次教育まで多様な内容

?ひとことで「リメディアル教育」と言っても、さまざまな内容があるようなのですが。

日本におけるリメディアル教育は、広く学生の基礎学力の支援から、大学入学時の学習スキルや生活支援までをカバーするものになっています。そのため、学会としては、(1)大学入学前に実施する「入学前教育」、(2)入学後に大学における学習スキルの習得や生活支援を目標とする「初年次教育」、(3)大学の授業を理解するための基礎的な学力不足を補う「基礎学力の支援教育」の3つに分けて考えています。それぞれの内容について述べると、

(1)主として推薦・AO入試合格者を対象とした「入学前教育」。合格後の期間を活用し、通信添削・e-learning・スクーリングなどの手段で、読書レポートから学力強化、また仲間づくりまで、様々な取り組みがなされていますが、大学により学習内容、学習時間や学習方法が異なり、その成果もまちまちであると考えます。

(2)学習スキルの習得、生活支援。最近、多くの大学でオリエンテーションを拡大し、「初年次教育」、「フレッシュマンセミナー」などと呼ばれる教育が盛んになりつつあります。大学によっては前期15回の単位付授業として実施しており、図書室の利用方法、新聞の読み方、レポートの書き方、議論の仕方、パソコンの使い方からゴミの出し方、ドラッグ問題など、大学生として自立した学習と生活のスキルを早く身につけてもらう多彩な内容です。

(3)中学・高校内容の復習。学力不足と判断されたり、高校で未履修だったりした科目の補完教育です。これに、専門前の導入教育を含む場合もあります。これらは大学における授業を成立させるための基本的・基礎的知識を身につけるものです。

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小野 博氏氏(おの ひろし)

日本リメディアル教育学会会長
メディア教育開発センター教授