第3弾「全入時代における小規模大学のサバイバル戦略」

第1回 │ 小規模大学はマンモス大学とどう戦えばいいのか?

「聖学院大学」と言っても、ご存知ではない方が多いと思います。そこで、初めに簡単に大学の紹介をさせていただきます。「学校法人 聖学院」には幼稚園から大学院まで10の学校がありますが、その大学部門が聖学院大学。100年を越す歴史があり、アメリカのミッション(ディサイプルス派)によって創設されました。
大学は18年前の1988年創立です。一学年の募集規模は600名と小さな大学です。ロケーションは埼玉県上尾市。田舎だと思われるかもしれませんが、大宮駅の隣の駅が最寄駅です。この「続きはWebで」お願いします(笑)。
さて、今日お話したいことの1つは「小規模大学の戦い」についてです。ここで言う“小規模”大学とはわが聖学院大学のような大学のことで、大学としては新しく、設立からせいぜい20年程度の歴史。また、1学年の学生定員も数百人規模の大学のことを指します。これに対するのが「マンモス大学」。“マンモス”という言い方は不適切なニュアンスがあるかもしれませんが、わかりやすい言葉として用いることをご了承ください。
大学全入時代を迎え、小規模大学はマンモス大学とどう戦えばいいのか? 果たして生き残れるのか? どんな広報をしていけばいいのか? ?そのようなことを、本学が考え、実行してきたを中心にお話させていただきます。

まるで「プロ野球と草野球」。スケールが違いすぎる

まず、小規模大学で広報を担当する者の悩みをお聞きください。たとえでいうと、マンモス大学と小規模大学とでは「プロ野球と草野球」ほどの違いがあります。私どもの定員は以前は300名、その後増えましたが、それでも600名です。今日お越しの中央大学さんや立命館大学さんなどは1万名を越える規模ですね。同じ大学と言いましても、スケールがまるで違うのです。そんな中でどう「プレー」(広報)すればいいのか? 悩みは尽きません。
まずスタッフの充実度も違います。小さな大学に多くの人数は置けません。兼務する仕事も多く、広報専門というわけにはなかなかいきません。
募集広報費もケタが違います。大学ではたいてい、学生一人当たりいくらというかけ算で広報予算を組みますので、私どもなら「かける600(名)」。それに対し、マンモス大学は「かける20,000(名)」とかです。なのに、募集広報誌や新聞の連合広告では、1枠いくらですので同じ費用が必要です。
「聖学院大学の広告量が少ない!」 学内でそういうクレームをたくさん聞きました。実は私は最初、聖学院大学ではなく学校法人聖学院の広報センターに入職しましたので、大学入試委員会ではわざと広報を絞っていると思い込んでいたのでしょう。お陰で、大学とは“1200日の暗闘時代”が続きました(笑)。
その間に小規模大学での広報のあり方を試行錯誤しながら模索していたのです。

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山下 研一氏(やましたけんいち)

1996年、学校法人聖学院・広報センター所長として入職。全入時代を迎える中、大学改革の一環として“小規模”大学ならではの観点から独自の広報戦略を展開。広報をWebにシフトさせ、『2007年度大学ランキング』(WEBサイト総合)では全国39位に輝く。

山下 研一氏(やましたけんいち)